おやっと思ったら即実行を

占いは、占的(占う目的)に対して、断定的な回答は出してこない。
そこに書かれていることは、宇宙全体から見た今の状態などを抽象的
な言葉で投げかけているだけである。
ところが,その抽象的な言葉を読んでいるうちに、何がどうなって
いるのかはよく分らないが、
「もしかしたら、あれはこうなのかな」というように、自分の心が反
応するのである。
易占いの回答とはまさにそれで、自分の心から発信する声に従って行
動する事を促しているのである。
ここが易占いのもっとも大事なポイント。
つまり、易占いとはサイレントコード(神の意思、天声)を聴く方法
であり、シンクロニシティー(意味のある偶然の一致)、或はセレンデ
ィピティー(偶然の発露)の信号を読み解く手段なのである。
そして、大事なことは、サイレントコード(天声)が聞こえたら即、実
行することである。
民族学者の川北二郎氏は、自著の「創造と伝統」(祥伝社)の中で
「天命を感じるというのは,人が受け身ではなく,積極的に状況に関わっ
ていって、全体への価値の寄与という方向で考え行動していた時に起こる
ものだと思う」といい。さらに続けて
「全体状況で,やらざるをえなくなってくると,強いられているといえば
強いられているとも受け取れるけれど,何だか気になるということは、自
分と状況が一致しているということで,状況の外に自分がいて,外から状
況を見ているということではなく、自分の内側にも状況持っているという
ことで,その状況の中から自分の主体性が導きだされてくるので,むしろ
作為が少ない…」
「自然の流れに沿って為すべきことに叡智を集中すると、全体状況から、
自分のなすべきことが聞こえてくるのが「天命」であり,それによって、
成さねばならぬという感じが生じるものが「絶対感」ということである」
と言っている。
私は、この言葉の中に易占いの真髄を感じるのである。
そして、こういう態度で行動していると、そこにいろんな他力(シンクロ
ニシティー、セレンディピティー)というような奇跡的現象が現れて願っ
たような結果が得られるというのが私が見つけた易の当たるメカニズムで
ある。